登校する時間になっても、通学路の近くに出たクマの行方が分からない。そんなとき、学校が開いているからといって、いつもどおり送り出すのは不安ですよね。2026年10月12日の読売新聞の報道では、休校や警戒をいつ終えるか、学校側も判断に悩んでいることが紹介されました。
『名ナシの気になる話』のナッシーです。私が気になったのは、休校が終わったあと、不安が残る家庭はどうすればいいのかという点です。2026年10月12日に確認した国と自治体の資料をもとに、出没した都道府県と、欠席の扱いから送迎、家での勉強まで調べました。
クマが出没したのはどこ?34都道府県で情報を確認
クマのニュースは東北の話題が目立ちますが、出没情報があるのは東北だけではありません。環境省の2026年4~7月の速報値と北海道警察の同年7月の情報を合わせると、次の34都道府県で確認できます。
| 地方 | 出没情報がある都道府県 |
|---|---|
| 北海道 | 北海道 |
| 東北 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 |
| 関東 | 栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県 |
| 中部 | 新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県 |
| 近畿 | 三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 |
| 中国 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 |
| 四国 | 徳島県 |
環境省資料は2026年9月9日更新で、出没情報は7月分までです。北海道は同資料で出没数が非公表のため、道警の目撃情報を補いました。10月12日までの出没をすべて網羅した一覧でも、休校になった地域の一覧でもありません。
東京都や大阪府も含まれると、思っていたより範囲が広く感じます。ただ、都府県全域で同じ危険があるわけではありません。表にない県も過去の出没がゼロとは限らず、環境省資料には茨城県の2025年度、高知県の2024年度の記録があります。
「国の指針がない」は、何も決まっていないという意味?
報道の「統一指針がない」という言葉だけを見ると、学校が何のよりどころもなく対応しているように感じます。ただ、文部科学省は安全確保の通知を出しています。欠けているのは、休校や再開を全国一律に決める具体的な基準です。
2025年10月30日と2026年5月15日の通知では、通学路の点検・変更、連絡体制の整備、学校の危機管理マニュアルの見直しなどを求めています。警察や自治体の鳥獣担当部署と協力することも含まれています。
つまり、対策の方向性は示されていても、地域ごとの危険に合わせた判断が必要ということ。山沿いの通学路と住宅街の学校では事情が違いますし、同じ市内でも出没場所によって取るべき対応は変わります。
休校は誰が決める?校長だけで抱える話ではない
休校を判断するのは校長です。文科省も2026年6月12日の会見で、学校教育法施行規則に基づく校長の判断だと説明しています。そのうえで、行政や地域と連携し、危険な場合はためらわず休校などの措置を取るよう求めています。
ここで気になるのは、判断する権限と、クマの危険を見極める専門性は同じではないことです。校長が責任者だからといって、クマの行動まで一人で予測できるわけではありません。学校外の情報や専門的な助言が必要になります。
福島市の公式案内でも、目撃情報を保護者へ伝えるほか、協力団体や教職員による登下校の見守り、保護者への送迎依頼を挙げています。休校にするかどうかだけでなく、通える条件を地域でどう整えるかも対策の一部なんですね。
いつまで休校?授業再開と警戒解除は別の判断
「最後の目撃から何日たてば再開できるのか」。知りたいのは、やはりここだと思います。ただ、今回確認した国の通知には、目撃のない日が何日続いたら学校を再開する、といった全国共通の日数は示されていません。
10月12日の報道では、福島市で授業を再開したあとも保護者の送迎が続いた事例が紹介されています。授業ができるようになったことと、子どもだけで歩いて通えることは別。学校からの「再開」の連絡は、登下校方法まで読む必要があります。
目撃情報が途切れても、クマが移動したのか、見つかっていないだけなのかは家庭では判断しにくいところです。再開の連絡に送迎や屋外活動の条件が付いていれば、その条件も含めた再開と受け止めるのが適切でしょう。
| 学校からの連絡 | 一緒に読みたい内容 |
|---|---|
| 授業を再開する | 保護者送迎など、登校の条件があるか |
| 通常の登下校に戻す | 対象の地区・通学路と、戻す日付 |
| 屋外活動を再開する | 校庭や部活動など、どこまで対象か |
怖くて休むと欠席になる?自動で決まるわけではない
クマが不安で登校を控えた場合、欠席日数に数えない扱いができることは、保護者にとって大きな違いです。ただし、家庭が「クマが怖い」と伝えれば、全国どこでも無条件で同じ扱いになる、とまでは言えません。
文科省が2026年7月に再周知した非常時の通知では、本人や保護者の責任ではない事情があり、校長が登校しなくてもよいと認める場合などを対象としています。該当する場合、登校できなかった日を欠席日数として記録しません。
秋田市は2025年11月の市広報で、不安を感じる子どもが登校を控える場合に出席停止の扱いとする対策を掲載しています。これは当時の市の運用です。ほかの地域へそのまま当てはめず、自分の学校での扱いを聞く必要があります。
ナッシー「欠席にならないはず」で済ませず、学校との行き違いをなくしておきたいですね
送迎できない家庭は、早めに事情を伝えたい
「保護者が車で送迎してください」と言われても、車がない家庭もあれば、出勤時間と重なる家庭もあります。安全のためのお願いなのは分かるけれど、それだけでは動けない。ここは家庭の努力だけでは埋められない部分です。
文科省が紹介する花巻市の対応マニュアルには、保護者が送迎できない場合、バス・タクシー・公用車の利用希望を確認する項目があります。実際に利用できる手段は地域の判断ですが、送迎できない家庭を想定した対応例はあります。
また、2026年7月の国の通知では、自治体が臨時スクールバスを運行する費用も財政措置の対象とされています。家庭のタクシー代が自動的に支給される制度ではありません。学校には、送迎できない時間帯も具体的に伝えたいところです。
登校できない間の勉強はどうなる?
休みが続けば、授業についていけるかも気になります。文科省は2026年7月14日の通知で、クマの出没により安全を確保できず、やむを得ず登校できない場合も、オンラインを活用した特例の授業を行えると示しています。
家に端末があるだけで授業に参加できるとは限りません。配信の有無、接続方法、課題の受け取り方は学校ごとに調整が必要です。私は、登校を控える連絡と一緒に、その日に取り組む学習と質問先まで聞けるとよいと思います。
なお、欠席日数に数えないことと、オンライン授業の参加記録は別の話です。中学校の指導要録の参考となる規定でも、特例の授業は実施日数や参加日数などを別に記録します。動画を見れば自動で出席になる、という仕組みではありません。
学校にいる間と、学童へ向かう時間も気になる
登校できれば一日安心、とは言い切れないんですよね。授業中に近くで目撃情報が出た場合や、下校して学童へ向かう場合もあります。朝の登校方法だけ決めても、午後に状況が変われば帰り方を変える必要が出てきます。
花巻市のマニュアルでは、在校時の所在確認、屋内への避難・待機、屋外活動の制限に加え、下校時刻や引き渡し方法の連絡を挙げています。すでに子どもが学校にいるときは、学校からの待機・引き渡しの案内が重要になります。
秋田市も2026年9月更新の学童向け案内で、出没が確認された学区では職員の引率などで一人歩きを防ぎ、屋外活動を中止するよう求めています。学校と学童では連絡元が違うこともあるので、利用先の案内も見落とせません。
学校への連絡は「休みます」に理由を添えて
登校を控えると決めたら、学校の指定する方法で理由も伝えます。目撃された場所が通学路に近い、送迎する人がいない、子どもの不安が強いなど、実際の事情が分かれば、学校側も必要な対応を検討しやすくなります。
そのとき、「今回の休みは欠席日数に入りますか」と具体的に聞いて構いません。あわせて、その扱いが続く期間や、翌日以降も連絡が必要かを相談します。以前一度認められたから、その後もずっと同じとは決めつけないほうがよさそうです。
私としては、欠席が増えるのを心配して危険な通学を選ぶ状況は避けてほしいと思います。不安が残るときは、学校が再開したかだけで判断せず、自分の通学路と送迎の事情を伝えること。それが、その子に必要な対応を相談する出発点になります。



